「ギャンブルをする人はバカだ」
多くの人が思っていることだと思う。実際、私も思う。
その理屈としては、期待値が掛け金を下回っているのだから短期的に勝つことはあっても、長期的にみたら必ず負けるというものだ。
それは宝くじにも言えるのだが、宝くじを買うことはギャンブルをすることと違うのではないだろうかと思い、今回の話を書くに至った。
突然だが、ロシアンルーレットに似たゲームを考えてほしい。
ここに弾が100発入るリボルバーがあるとしよう。当たりは1発だけ。シリンダーを回転させたら、あなたは1発だけ自分に向けて撃つ。
空砲なら凄まじいお金がもらえる。弾が出たら死ぬ。
資本主義においてはどんなものもお金で表すことができる。
人の命も。
ここではあなたの命の価値が1億円であるとしよう。
そして先ほどのギャンブルで空砲なら1000万円がもらえる。これならこのギャンブルの期待値は大きくプラスに傾いている。
そうであるならば、あなたはこのギャンブルをするだろうか?
もしやると答える人がいるならば聞きたい。
空砲ならば10億円がもらえるかわりに、2発しか装填できないリボルバーを用いるとしても。
正直、蛇喰夢子以外の人はこのギャンブルをやらないと思う。
そう、期待値がプラスでもやらないギャンブルはあるのだ。ならば期待値がマイナスでもやるギャンブルがあってもおかしくないのではないだろうか。
というわけで宝くじの話に戻ってくる。宝くじは買うごとに損をする。だがしかし、1等を当てれば人生があがりになるお金が手に入る。普通に過ごす分には働かずとも一生困らない。あなたの人生の残り時間は全て自由時間だ。だから宝くじはロシアンルーレットの正反対のギャンブルなのである。
当たったら死ぬのか、当たったらあがるのか。
やれば得するロシアンルーレットをやらないのならば、正反対の宝くじをやることも何らおかしくないのではないだろうか。
当たっても人生があがれないギャンブルをするのは擁護できないバカ。